妊娠中、女性の体には大きな変化が起こります。そして出産後もまた、多くの驚きや変化が待っています。このような激動が過ぎ去った後は、新しいスキンケア習慣を作り、自分のための時間を取ることが大切です。赤ちゃんが生まれてから時間を作るのは難しいかもしれませんが、ここでは出産後の肌と髪のケアについてのアドバイスを紹介します。
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出産後の新しいスキンケア習慣を作るためのアドバイス
保湿を重視する
妊娠中、ホルモンの変化が肌に影響を及ぼします。この期間、エストロゲンやプロゲステロンの分泌が大幅に増加し、肌の状態に影響を与えます。エストロゲンは特に、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の合成を促進し、これらは肌の健康に寄与します。
ヒアルロン酸: 肌に水分を保持し、乾燥を防ぐ役割を果たします。
コラーゲンとエラスチン: 肌に弾力と柔軟性を与えます。
一方、プロゲステロンは皮脂腺の活動を活性化させ、皮脂の分泌を増加させます。皮脂は肌の水分蒸発を防ぎ、外部刺激から保護する皮脂膜の一部です。そのため、妊娠中の肌が美しく見えると感じる女性も多いです。
しかし、出産後にはホルモンが急激に低下し、この傾向が逆転します。徐々に肌の保湿力が失われ、妊娠中のような保護効果が薄れます。
対策: 肌の皮脂膜を補い、保湿を心がけましょう。肌タイプに合った保湿クリームを毎日塗布し、使用前には優しい洗顔料で肌を清潔にすることで、保湿成分の浸透を促進します。
日焼け止めを毎日塗り続ける
「妊娠マスク」(顔の色素沈着)は、妊娠中だけでなく出産後もリスクが続きます。エストロゲンとプロゲステロンの値は出産後数か月かけて正常値に戻りますが、これらのホルモンはメラニン合成経路に関与するMCIR(メラノコルチン受容体)を刺激します。そのため、色素沈着を防ぐために日焼け止めの使用を続けることが重要です。
対策: UVAとUVBの両方を防ぐ広範囲の日焼け止めを、露出するすべての部分に毎日塗布してください。
保湿ケアで妊娠線ケアを継続する
妊娠後、腹部、太もも、お尻、胸などに妊娠線が現れることがあります。また、体重が急激に減少すると、妊娠後に妊娠線が現れることもあります。妊娠線は、真皮のコラーゲン繊維が過度な引っ張りによって損傷することで形成されます。
対策: 妊娠線を予防または目立たなくするために、1日2回、栄養と保湿成分を含むケア製品を塗布し、やさしくマッサージして完全に吸収させましょう。
おすすめ製品:
アロエベラ(INCI: Aloe Barbadensis Leaf Juice)やバオバブオイル(INCI: Adansonia Digitata Oil)を配合した妊娠線ケアジェルオイルを使用してください。この製品は肌に柔軟性と弾力性を与え、妊娠線の予防と軽減に役立ちます。ただし、白くなった妊娠線はすでに治癒しており、これ以上改善することはありません。
脱毛を防ぐために特定の成分を活用する
産後は、髪がもろくなったり、艶を失ったり、大量に抜けることがあります。これもまたホルモン低下による影響です。
メカニズム: 毛周期の「休止期(脱毛期)」がわずかに延長されるため、髪が抜けやすくなります。この現象は通常、出産後2~3か月目に現れますが、6か月目に起こることもあります。
対策:
頭皮に塗布する強化セラムを使用する。
キャスターオイル(INCI: Ricinus Communis Seed Oil)やビオチン(ビタミンB7)を配合した製品やサプリメントを試してみる。
注意: ビオチンの脱毛予防効果については複数の研究が行われていますが、その効果は限定的であることが示されています。
Sources
EKMEKCI T. & al. The changes in the hair cycle during gestation and the post-partum period. Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology (2014).
TYLER K. H. Physiological skin changes during pregnancy. Journal of Clinical Gynecology and Obstetrics (2015).
CASTELO-SOCCIO L. & al. A eeview of the use of biotin for hair loss. Skin Appendage Disorders (2017).
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