Perte de cheveux post-partum.

産後の抜け毛について知っておくべきこと

妊娠中および出産後、女性の体はさまざまな変化を経験します。抜け毛は、ホルモンレベルの変動に関連する一般的な変化のひとつです。ここでは、産後の抜け毛について押さえておくべき重要なポイントを紹介します。

まとめ
公開済み 2023年4月20日, アップデート 2025年2月21日, に ポーリーヌ, 化学エンジニア — 1分で読めます

産後の抜け毛とは?

産後の時期は、一部の女性にとって髪のトラブルが生じやすい期間です。髪がもろくなったり、ツヤを失ったり、時には束になって抜け落ちることもあります。抜け毛の程度は個人差があり、主に額の生え際(前頭部)に集中して起こります。

通常、抜け毛は出産後2~3カ月ごろから始まることが多いですが、6カ月ごろに現れる場合もあります。これは一時的かつ正常な現象であり、通常は妊娠終了後1年以内には自然に収まります。ホルモンレベルが正常に戻るにつれて、体の変化も落ち着き、髪は元の状態へと戻ります。

産後の抜け毛の原因は?

産後の抜け毛の正確な原因は、現在のところ十分に解明されておらず、研究も進んでいません。しかし、妊娠中のホルモン変動が主な要因であると考えられています。

妊娠中、エストロゲンプロゲステロンの分泌量が増加し、**毛周期の成長期(アナゲン期)**がわずかに延長されます。エストロゲンは頭皮に存在する特定の受容体と結びつき、毛髪の成長を促進すると考えられています。

一方、プロゲステロンは、5αリダクターゼという酵素の働きを抑制します。この酵素は**テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)**に変換する役割を持っています。DHTは毛包に作用し、髪の寿命を短縮し、毛周期を加速させるため、プロゲステロンの抑制作用は髪の成長に良い影響を与えます。

しかし、出産後にはエストロゲンとプロゲステロンのレベルが急激に低下し、それまでの毛髪に対する恩恵がなくなります。その結果、髪が一気に抜け始めます。これは、妊娠中に抜けるはずだった髪が保たれていたため、出産後に「遅れを取り戻す」ように抜け落ちると考えられています。研究者の中には、出産後に休止期(テロゲン期)が一時的に増加することを指摘しており、これが妊娠中の「過剰な」髪の成長を補う役割を果たしているとされています。

産後の抜け毛を抑える方法は?

抜け毛が気になるかもしれませんが、これは一時的な現象であり、長期的に髪に悪影響を及ぼすものではありません。とはいえ、以下のような簡単な習慣を取り入れることで、抜け毛を最小限に抑えることができます。

1. 優しくブラッシングする

まず、髪を優しくブラッシングすることが推奨されます。無理に引っ張ると余計な抜け毛を引き起こす可能性があるため、丁寧にとかすことが大切です。また、髪を結ぶ際はきつく結ばず、ゆるめのヘアスタイルを選ぶことで、髪への負担を減らすことができます。

2. 髪を強化する美容液を使用する

頭皮に直接塗布するタイプの強化美容液(セラム)の中には、髪を強くし、抜け毛を防ぐ効果を謳う製品もあります。これらの多くには、キャスターオイル(ヒマシ油, INCI: Ricinus Communis Seed Oil)ビオチン(ビタミンB7)が配合されています。しかし、これらの成分の有効性については、科学的な裏付けが限定的であり、必ずしも劇的な効果があるとは言えません。

3. サプリメントを摂取する

システインビオチンを含むサプリメントは、抜け毛予防を目的として開発されたものもあります。通常、約3カ月間の服用が推奨されます。

ただし、最近の研究では、ビオチンの薄毛に対する効果は限定的であると結論付けられています。そのため、過度な期待をせず、栄養バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

Sources

  • EKMEKCI T. & al. The changes in the hair cycle during gestation and the post-partum period. Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology (2014).

  • CASTELO-SOCCIO L. & al. A Review of the use of biotin for hair loss. Skin Appendage Disorders (2017).

  • MECZEKALSKI B. & al. Hormonal effects on hair follicles. International Journal of Molecular Sciences (2020).

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