化粧品の使用期限はどのように決定されるのか？

最小耐久期限（MDD）や開封後使用期限（PAO）は、製品の開発後に調合者によって設定されます。いくつかの要素に基づいて使用期限が決定されます。

• 微生物検査
  ヨーロッパ薬局方に基づく「チャレンジテスト」が行われ、化粧品が市場に出る前にバクテリア汚染に対する感受性が検査されます。保存システムが有効であり、規制により定められた微生物の限度内に抑えられることが求められます。このテストの結果が化粧品の耐用期間と開封後使用期限を決める要因の一つです。

• 製品の成分とpH値
  化粧品に含まれる水分の割合も最小耐久期限と開封後使用期限に大きな影響を与えます。水分が多いと、バクテリアや酵母、カビの増殖が促進され、製品の品質が低下し、健康へのリスクが高まります。そのため、水分が少ないか含まれていない製品は、より長い期限が設定される傾向にあります。また、pH値もバクテリアの増殖に影響を与えます。ほとんどの微生物は中性の環境で増殖しやすいため、酸性またはアルカリ性のpH環境は多くの病原体にとって不利な環境を作ります。

• 製品のパッケージ
  化粧品のパッケージも使用期限を評価する際の要因です。ジャー容器の製品は、指や空気と接触しやすく、他の容器に比べてPAOが短くなりがちです。ポンプ容器は時間が経っても安定している傾向があります。

• 使用方法と対象者
  使用方法（洗い流しの有無や対象者の年齢層）により、PAOやDDLが若干異なる場合があります。例えば、洗い流しの製品は皮膚との接触時間が短いため、PAOが長めに設定される傾向があります。また、妊婦や子供向けの製品は、より短い使用期限が設定されることが多いです。

• 特定のリスクの存在
  各製品の特性も考慮されます。他の製品と混ぜて使用することが予想される製品（スティックタイプなど）は、PAOが短めに設定されます。同様に、日焼け止めやリップバームのように持ち運びが多い製品は、温度変化にさらされやすいため、短い使用期限が設けられる場合があります。

注意 ：消費者の行動も開封後の使用期限に影響を与えることがあります。手を洗わずに製品を使用したり、しっかりと蓋を閉めない場合、また非常に高温の場所で保管すると、微生物の増殖が促進され、使用期限が短くなることがあります。