帝王切開後の傷跡：どうすべきか？

帝王切開後、傷口は保護のためにガーゼが当てられます。このガーゼは数日後に取り除かれ、5～10日後には縫い糸やホッチキスが外されます。その後、傷跡の治癒を助けるために以下の注意点を守ることが重要です。

1. 帝王切開後最初の3日間は傷跡を乾燥させる

帝王切開後、傷口は乾燥を保つことが大切です。シャワーを避け、石灰分が含まれている水が弱った皮膚を刺激して治癒を遅らせないようにしましょう。

2. 傷跡を日光から守る

帝王切開後数ヶ月間、傷跡を紫外線から守ることが重要です。長袖やジャケットを着用して腹部を覆うか、傷跡に絆創膏を貼りましょう。もし外に出る必要がある場合、広範囲の紫外線をブロックする日焼け止めをたっぷりと塗りましょう。傷跡の部分の皮膚は薄くて敏感なため、紫外線が直接当たると色素沈着（紫外線による色の変化）を引き起こすことがあります。

3. 喫煙を避ける

タバコは治癒の大敵です。タバコの一酸化炭素は血液の酸素運搬能力を低下させ、組織の再生に必要な酸素が十分に届きません。また、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血流を減少させ、細胞への栄養供給を妨げます。

4. 傷跡をマッサージする

治癒を促進し、細胞の再生を刺激するためには、手術部位を優しくマッサージすることが推奨されます。ただし、傷が完全に閉じてから15日ほど待ってからマッサージを行い、優しく行うようにしましょう。指の腹で軽く圧力をかけ、円を描くようにマッサージします。また、再生クリームを塗布することで、線維芽細胞の活動を刺激することができます。アボカドオイルやローズヒップオイルなどのオメガ6脂肪酸を豊富に含む植物油は、この効果を持っています。もしマッサージが痛い場合、それはまだ皮膚が準備できていない証拠です。その場合は、無理にマッサージせず、もう少し待つことが大切です。

通常、帝王切開で行われる手術法は目立たない傷跡を残しますが、時には合併症が起こることがあります。感染症が発生すると、傷口は赤く、膿が出ることがあります。この場合、再手術が必要になることもありますが、感染症は5％未満のケースでしか発生しません。

また、傷跡が硬くなったり、かゆみを伴う場合、それは肥厚性瘢痕（過剰にコラーゲンが生成されている状態）によるものです。このタイプの傷跡は、数ヶ月以内に自然に回復しますが、治癒を早めるためにステロイドクリームが処方されることもあります。

反対に、傷跡の縁が深く沈んで溝を作ることがあります。これを 陥凹性瘢痕 と言い、この場合、クリームで治癒を進めるのは難しく、完全に消すためには追加の外科手術が必要となることがよくあります。