夏の高温多湿から解放される冬ですが、乾燥肌や不快感を引き起こすこともあります。冬の乾燥にどう対処すればよいのでしょうか?この記事では、健康な肌を保つための予防策や、乾燥対策のシンプルな方法を紹介します。
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なぜ冬に肌が乾燥するのか?
乾燥肌は冬に特に多く見られる悩みです。一年中乾燥肌の人もいれば、寒く乾燥した冬に悪化する人もいます。特に顔、唇、手など冷気にさらされやすい部分が影響を受けやすいです。
皮膚の水分量は周囲の湿度に影響されます。気温が低くなると、皮膚の保護膜である「皮脂膜」が弱まり、水分が失われやすくなります。これは皮脂の減少、細胞間脂質の減少、天然保湿因子(NMF)の不足が原因です。水分が不足すると、角質細胞の結びつきが乱れ、古い角質が蓄積しやすくなります。
通常、乾燥肌は深刻な健康問題ではありませんが、湿疹の悪化、ひび割れによる出血、感染症(赤み、腫れ、膿)などの合併症を引き起こすことがあります。
① 保湿クリームを使用する
乾燥肌を防ぐために最も重要なのは、適切な保湿クリームを使用することです。
使用タイミング:
入浴後、肌がまだ湿っているうちに
手を洗った後
乾燥を感じたとき
保湿クリームには主に3種類の成分が含まれています。
✅ 保湿剤(ヒューメクタント):水分を引き寄せる成分(グリセリン、ヒアルロン酸など)
✅ エモリエント:皮膚のバリアを修復する成分(セラミド、スクワラン、脂肪酸など)
✅ 閉塞剤(オクルーシブ):水分蒸発を防ぐ成分(シリコン、ワックス、ワセリンなど)
また、アルコールや香料が含まれない低刺激の保湿剤を選びましょう。一般的に、ローションよりもクリームやバームの方が効果的です。
② 保湿マスクを取り入れる
冬のスキンケアには、保湿マスクを加えるのも有効です。1日1~2回の使用で肌の水分量を増やせます。
スクラブの過剰使用はNG
乾燥した肌やひび割れた部分にスクラブを使うと、肌のバリアをさらに傷つける恐れがあります。スクラブを使う場合は、物理的な粒子の入ったものではなく、刺激の少ない化学的ピーリング剤を選びましょう。
③ 室内の湿度を適切に保つ
暖房を使用すると、室内の湿度が低下し、肌が乾燥しやすくなります。加湿器を使用し、湿度を**40~60%**に保つと、肌の乾燥を防ぐのに効果的です。
加湿器の衛生管理を忘れずに!
加湿器は細菌の温床になりやすいため、毎日水を交換し、定期的に掃除をしましょう。
④ 室温を適度に調整する
冬は暖房で室内を暖めたくなりますが、温度が高すぎると空気が乾燥し、肌の水分が奪われます。適度な室温(20℃前後)を保ち、湿度とのバランスを取ることが重要です。
⑤ アルコールの摂取を控える
アルコールには利尿作用があり、体内の水分が失われやすくなります。これにより、肌の乾燥が進行しやすくなります。
🍷 お酒を飲む場合は…
アルコールを飲む際は、1杯飲むごとにコップ1杯の水を飲むと、脱水を防げます。
📌 アルコール摂取の目安(米国NIAAAの基準)
女性:1日3杯以上、週7杯以上で過剰摂取
男性:1日4杯以上、週14杯以上で過剰摂取
⑥ 長時間の熱いシャワーは控える
寒い冬は熱いシャワーやお風呂が気持ちいいですが、皮膚の皮脂膜を奪い、乾燥を悪化させます。
🚿 シャワーの注意点
時間:5~10分以内にする
温度:ぬるめ(約37℃)の水で流す
皮膚のトラブルが続く場合は医師に相談を
もし乾燥がひどく、ひび割れや湿疹が悪化している場合は、皮膚科医に相談するのが賢明です。
参考文献
LODÈN M. Role of topical emollients and moisturizers in the treatment of dry skin barrier disorders. American Journal of Clinical Dermatology (2003).
BATCHVAROVA N. & al. Evaluation of seasonal changes in facial skin with and without acne. Journal of Drugs in Dermatology (2015).
THYSSEN J. P. & al. The effect of environmental humidity and temperature on skin barrier function and dermatitis. Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology (2016).
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