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Utilité tréhalose cosmétique.

"トレハロース"とは?その有用性は?

昔、トレハロースは主に植物や昆虫が過酷な環境条件で生き抜くのを助ける能力で知られていました。 現在では、そのユニークな特性と低毒性が評価され、特に化粧品業界で人間への応用が進められています。 では、トレハロースとは何で、それが肌にどんな利益をもたらすのでしょうか?この記事で説明します。

トレハロースとは何ですか?

「蘇生の糖」とも呼ばれるトレハロースは、還元性を持たない天然の二糖類で、2つのグルコース分子がα-1,1-グリコシド結合によって結びついています。多くの生物に広く分布し、細菌や酵母、菌類、昆虫、無脊椎動物、植物などが、乾燥や極端な高温、低温といった過酷な環境に晒された際に合成します(ただし脊椎動物は除きます)。これは、トレハロースが細胞の周囲にジェルを形成して乾燥を防ぎ、細胞を保護するという独自の特性を持つためです。

Structure chimique du tréhalose.
トレハロースの構造。
ソース:PubChem。

1855年、フランソワ・デラ・スダによって「トレハラ」という薬品がパリ国際博覧会で発表されました。これは、咳や肺疾患の治療に用いられ、中東のエキノプス属植物上に生息するラリヌス属の昆虫が作る甘い繭です。1858年にはマルセラン・ベルトローがこの「トレハラ」からトレハロースを単離し、その物理的および化学的特性が明らかになりました。

化学的および物理的特性価値観
化学式C12H22O11
シノニムα,α -トレハロース;α -D-グルコピラノシル α- D-グルコピラノシド
外観無臭の白色結晶性粉末
モル質量342.3 g/mol
溶解度水とエタノールに溶ける

1876年には、「トレハラ」から単離されたトレハロースの化学構造が、ライ麦角菌(*Claviceps purpurea*)に含まれる糖と類似していることが確認されました。さらに、1913年には植物界にもトレハロースが存在することが発見され、とりわけ「ジェリコローズ」(*Selaginella lepidophylla*)に含まれることが確認されました。また、この分子は緑藻、コケ、ゼニゴケ、シダ類にも存在することが証明されています。

化粧品にトレハロースを使用する利点は?

トレハロースは低毒性で、安定化と保護の役割を果たし、極端な環境条件に耐えるため、多くの化粧品に利用されています。保湿セラム、日焼けケア、ヘアマスク、アイパッチなど、用途も広がりを見せています。

トレハロースは、単なる有効成分としての役割を超えて、化粧品製剤の安定性を大幅に向上させる可能性も秘めています。

主な効果

  • オートファジー活性化:トレハロースは、ヒト初代ケラチノサイトでオートファジーを活性化させることが示されています。オートファジーは、損傷した細胞成分を消化して細胞ストレスから守る働きを持ち、炎症や酸化ストレス、細胞増殖を制御し、血管新生を促進するため、光老化の保護効果があります。

  • スムージング効果:ヘアケア製品では、トレハロースが髪を柔らかくし、外的ダメージから保護する成分として使用されます。

  • 創傷治癒:トレハロース濃度が98%以上のものは、ヒトの皮膚細胞における創傷治癒を助けることが示されています。これはケラチノサイトの増殖と毛細血管形成を促進し、効率的な創傷修復をもたらします。

  • 保護機能:トレハロースはDNA、タンパク質、脂質を酸化から守り、細胞膜や分子の立体構造を安定化させ、ストレス時の変性、分解、凝集を防ぎます。水酸基が分子表面と水素結合を形成することで、構造の保持と機能維持に貢献します。

  • 保湿性:トレハロースは、皮膚の天然保湿因子(NHF)に似た保湿効果を持ち、他の二糖類よりも優れた水分保持力を発揮します。そのため、皮膚の水分バランスを安定させ、滑らかで潤いのある肌を保つことができます。

また、トレハロースは加齢に伴う体臭を中和し、脂肪酸の分解による不飽和アルデヒドの生成を抑えるため、加齢臭対策にも利用されています。

  • 抗酸化保護:トレハロースは酸化ストレスを抑制し、細胞内のフリーラジカルを捕捉します。また、抗酸化遺伝子の発現とオートファジー経路を調節することで、酸化ストレスや環境要因による老化効果から肌を保護します。

当社のリップピーリング(96%天然成分配合)には、トレハロースが含まれており、その保湿性が利用されています。

参考文献

  • サプライヤーの情報。

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