赤ちゃんの唇のひび割れ：どのようにケアすればよい？

赤ちゃんの皮膚は、大人に比べて非常に薄く、乾燥しやすい特徴があります。 特に唇の皮膚は、外部の刺激から守るための「皮脂膜（ヒドロリピッドフィルム）」がほとんど存在しないため、乾燥の影響を受けやすくなっています。しかし、赤ちゃんは一般的に常に保護されているため、唇のひび割れはそれほど頻繁には起こらないとも言われています。

では、なぜ赤ちゃんの唇がひび割れてしまうことがあるのでしょうか？

その主な原因の一つは、乾燥した環境に長時間さらされることです。また、赤ちゃんが唇を舐めたり、よだれを垂らしたりすることも、皮膚のバリア機能を損なう要因となります。

唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、本来は食べ物を分解する働きを持っています。しかし、この酵素が唇の皮膚の脂質バランスを崩してしまうことがあるのです。その結果、唇の保湿機能が失われ、小さなひび割れが生じやすくなります。

赤ちゃんの唇のケア方法

1. 優しく清潔にする
まず、ぬるま湯を含ませた清潔なガーゼや柔らかい布で、赤ちゃんの唇をやさしく拭き取ります。 強くこすらず、刺激を与えないように注意しましょう。

2. 赤ちゃん用の保湿バームを塗る
次に、新生児向けに特別に処方された保湿バームを薄く塗ります。 ただし、すべてのリップバームが赤ちゃんの肌に適しているわけではありません。 赤ちゃんは無意識のうちに唇を舐めてしまうため、安全な成分で作られた製品を選ぶことが重要です。

3. 塗布時に赤ちゃんをリラックスさせる
赤ちゃんがリップバームを舐め取ってしまうと、効果が得られにくくなります。そのため、おもちゃやおしゃぶりで気をそらしながら塗るのがおすすめです。また、赤ちゃんが落ち着いているタイミング（お昼寝前など）に塗るのもよいでしょう。

4. 予防のため、両方の唇とその周囲にバームを塗る
たとえ片方の唇だけがひび割れている場合でも、もう片方の唇や口の周りにも薄くバームを塗ることが大切です。 こうすることで、新たな乾燥やひび割れを防ぐことができます。

こんなときは小児科を受診しましょう

以下のような症状がある場合は、速やかに小児科を受診することをおすすめします。

• 適切なケアをしても、唇のひび割れが改善しない場合

• 赤みや腫れがひどくなっている場合

• 膿（うみ）やかさぶたが見られる場合（感染の可能性）

赤ちゃんの唇が細菌やカビ（カンジダ菌）に感染している可能性もあります。この場合、小児科医が適切な抗生物質や抗真菌薬を処方してくれます。