化粧品のINCIリストには、テクスチャー剤が含まれていることが多いですが、その役割はあまり知られていないかもしれません。ここでは、テクスチャー剤のさまざまな特性と、化粧品の製造において重要な理由について解説します。
テクスチャー剤の目的とは何か
化粧品におけるテクスチャー剤の重要性
天然成分であれ合成成分であれ、テクスチャー剤は、化粧品が肌や髪に塗布された際の一貫性、外観、質感を向上させるために設計された成分です。テクスチャー剤は目立たない存在ですが、製品の使用感に大きな影響を与えるため、処方において欠かせない要素となっています。クリーム、ジェル、セラム、ローション、シャンプーなどの製品に含まれており、非常に流動的なものから濃厚でリッチなものまで、多様なテクスチャーを提供することができます。
化粧品に使用される主要なテクスチャー剤は、以下のカテゴリーに分けることができます:
増粘剤
増粘剤は、製品の粘度を高め、濃厚な一貫性を持たせるために使用されます。化粧品で一般的に使用される増粘剤としては、キサンタンガム(INCI:Xanthan Gum)やグアーガム(INCI:Cyamopsis Tetragonoloba Gum)といった天然ガムや、カルボマー(INCI:Carbomer)などの合成ポリマーが挙げられます。これらの成分は、クリームやバームに豊かでクリーミーな質感を与えるためによく使用されます。ゲル化剤
ゲル化剤は、比較的しっかりとした一貫性を持ちながらも密度が高すぎないジェル状の化粧品を作るために使用されます。このタイプの処方は、混合肌から脂性肌向けの軽いスキンケア製品を作るのに特に適しています。アガーアガー(INCI:Agar)やカラギーナン(INCI:Carrageenan)が、化粧品でよく使用されるゲル化剤です。乳化剤
乳化剤は界面活性剤の一種で、乳化を安定させることが主な役割です。中には製品のテクスチャーにも影響を与えるものがあります。たとえば、レシチン(INCI:Lecithin)やポリソルベート(INCI:Polysorbate 60)などの乳化剤は、スキンケア製品の流動性を高めることができます。被膜形成剤
シリコーンやポリマーをベースにしたことが多いこの成分は、肌の表面に軽い膜を形成することが主な役割です。また、シルキーな仕上がりを提供できるため、テクスチャー剤としても利用されます。ワックス
天然由来のミツロウ(INCI:Cera Alba)やカンデリラワックス(INCI:Candelilla Cera)などのワックス、あるいは合成ワックスは、製品に濃厚さと快適な質感を与えます。これらはバーム、リップスティック、リッチなクリームによく使用されます。
テクスチャー剤の役割
テクスチャー剤は、化粧品のテクスチャーにも影響を与えます。特に、製品をより厚くしたり、流動性を高めたり、ジェルやクリームなど特定のテクスチャーを実現することが可能です。これにより、製品の塗布感や仕上がりに影響を与え、使用者の感覚や体験にも作用します。
参考文献
DRAELOS Z. K. 化粧品:概観。 現在の皮膚科学の問題 (1995年)。
MURTHY N. & al. 医薬品および化粧品における感覚特性剤の安定性. アメリカ製薬科学者協会の公式ジャーナル (2017).
LEITE-SILVA V. R. & al. 増粘剤. 化粧品の製剤 (2019).
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