Crème solaire pour femmes enceintes.

妊娠中の女性に適した日焼け止めはどれ?

妊娠中は、普段以上に紫外線から肌を守ることが重要です。というのも、妊娠中の肌は紫外線に対してより敏感になり、色素沈着や茶色いシミができやすくなるからです。そのため、妊娠期間中は毎日日焼け止めを塗ることが推奨されます。しかし、どの種類を選べばよいのでしょうか?

妊娠中に紫外線対策をする重要性

妊娠中はホルモンバランスが大きく変化します。特に、エストロゲンやプロゲステロンといったステロイドホルモンの分泌が増加します。これらのホルモンはメラニン生成(メラノジェネシス)を刺激し、肌の色を決めるメラニンの合成を促進します。そのため、紫外線を浴びると妊娠中の女性は色素沈着を起こしやすくなり、「妊娠性肝斑(マスク・オブ・プレグナンシー)」と呼ばれる茶色いシミができることがあります。これらのシミは妊娠4カ月目ごろから現れやすく、特に肌の色が濃い(FITZPATRICK分類でフォトタイプIII~VI)の人に多く見られます。

また、妊娠中のホルモンや体の構造変化によって、肌が乾燥しやすくなります。体重増加に伴い角質層の細胞が引き伸ばされ、バリア機能が弱まります。細胞間脂質であるセラミドが減少すると、水分の蒸発が増え、肌の乾燥リスクが高まります。さらに、紫外線は肌表面の皮脂膜(ハイドロリピディックフィルム)を弱め、乾燥を助長するため、特に注意が必要です。

加えて、妊娠4週目ごろから母体と胎児の間で血液の循環が活発になり、体温が上昇します。この状態で紫外線を浴びると、さらに体温が上がり、血管が拡張するため、ほてりやのぼせを感じやすくなります。

日焼け止めのSPFはどれを選ぶべき?

妊娠中は、肌タイプを問わず、**広範囲(ブロードスペクトラム)**の紫外線防御効果がある日焼け止めを毎日使用することが推奨されます。特に「肝斑(メラズマ)」を予防するためには、SPF50以上の日焼け止めを選ぶのが理想的です。

SPF(Sun Protection Factor)はUVB(紫外線B波)からの防御指数を示します。例えば、SPF30の日焼け止めは約3%(1/30)のUVBを通過させるのに対し、SPF50の日焼け止めは約2%(1/50)しか通しません。一見すると違いはわずかに思えますが、実際には大きな差があります。

Typologyでは、SPF30およびSPF50の日焼け止めを提供しており、妊娠中の女性にも適しています。これらの製品には**アロエベラ(Aloe Barbadensis Leaf Juice Powder)、ヒアルロン酸(Hydrolyzed Hyaluronic Acid)、カランジャオイル(Pongamia Glabra Seed Oil)**が含まれており、紫外線からの保護と同時に肌の保湿も可能です。さらに、低刺激でアレルギー誘発成分を含まない処方になっています。

ミネラル日焼け止めとオーガニック(有機)日焼け止め、どちらが良い?

日焼け止めの紫外線防御成分には、「オーガニック(有機)フィルター」と「ミネラルフィルター」の2種類があります。

オーガニックフィルター(化学的フィルター)は、紫外線を吸収して肌への影響を防ぐものですが、一部の成分が**内分泌かく乱物質(ホルモンに影響を及ぼす可能性のある物質)**として疑われています。特に、オクトクリレン、オクチノキサート、オキシベンゾンは懸念されています。

  • オキシベンゾンについては、実験室レベルの研究では「先天性異常(ヒルシュスプルング病)を引き起こす可能性」や「子宮肥大を引き起こす可能性」が指摘されていますが、生体レベルでの証明はされていません。しかし、母乳中に検出されたことがあり、安全性の観点から妊娠中の使用は避けた方が無難です。

  • BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)については、動物実験において妊娠初期の子宮環境に影響を及ぼし、流産のリスクを高める可能性が指摘されています。

したがって、妊娠中はミネラルベースの日焼け止めを選ぶのが一般的に推奨されます。ミネラルフィルターは、紫外線を反射させることで肌を守るため、内分泌かく乱のリスクがありません。とはいえ、全てのオーガニックフィルターが有害なわけではなく、安全性の高いものも存在するため、成分表(INCIリスト)をよく確認することが重要です。

子供用の日焼け止めは妊娠中に適している?

「敏感肌向け」とされる子供用日焼け止めは、一見すると妊娠中にも適しているように思えます。しかし、実際には「子供用」ラベルに厳格な規制がないため、必ずしも安全とは限りません。中にはアレルギー誘発成分や妊娠中の敏感な肌に適さない成分が含まれていることもあります。そのため、やはり成分表(INCIリスト)を確認することが重要です。

また、スプレータイプの日焼け止めを使用する際には、吸い込まないよう注意する必要があります。特に顔に使用する場合は、直接噴霧せず、手に出してから塗るのが安全です。

Sources

  • TYLER K. H. Physiological skin changes during pregnancy. Journal of Clinical Gynecology and Obstetrics (2015).

  • CAMELI N. & al. Melasma: How hormones can modulate skin pigmentation. Journal of Cosmetic Dermatology (2019).

  • DOWNS C. & al. Can oxybenzone cause Hirschsprung's disease? Reproductive Toxicology (2019).

  • SIRITHANABADEEKUL P. & al. Ultraviolet filters in sunscreen products labeled for use in children and for sensitive skin. Pediatric Dermatology (2020).

  • HE J. Exposure to butylated hydroxytoluene compromises endometrial decidualization during early pregnancy. Environmental Science and Pollution Research International (2021).

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