唇の乾燥やひび割れは特に冬に多く見られる悩みですが、何気なくしている習慣が実は悪化の原因になっていることがあります。本来ならば唇を守るはずの行動が逆効果になり、回復を妨げてしまうことも。この記事では、唇の健康と潤いを保つために避けるべき7つの習慣を紹介します。
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唇の乾燥・ひび割れ:やってはいけない7つの習慣
- 1. 毎日リップクリームを塗らない
- 2. 唇をなめる・皮をむく
- 3. 熱いお湯で唇をすすぐ
- 4. マットタイプの口紅を頻繁に使用する
- 5. メンソールやアルコールが含まれるリップを使う
- 6. 唇に日焼け止めを塗らない
- 7. 使用期限が切れたリップケア製品を使い続ける
- Sources
1. 毎日リップクリームを塗らない
唇は「半粘膜」とされており、周囲の皮膚とは異なる構造を持っています。唇の表面は角質層が非常に薄く(3~5層程度)、汗腺や皮脂腺がないため、肌本来の保湿機能がありません。そのため、外部刺激に対して非常に弱く、乾燥やひび割れが起こりやすいのです。
このため、日々のケアが不可欠です。特に冬場は乾燥や風の影響を受けやすいため、保湿効果のあるリップクリームをこまめに塗ることで、水分の蒸発を防ぎ、柔らかい唇を保つことができます。
2. 唇をなめる・皮をむく
乾燥が気になると、つい唇をなめてしまうことがありますが、これは逆効果です。唇をなめると、一時的に潤ったように感じますが、唾液が蒸発する際に唇の水分も奪われ、さらに乾燥が進んでしまいます。唾液には消化酵素(アミラーゼやマルターゼ)が含まれており、これが唇の薄い皮膚を刺激し、ダメージを与えてしまうのです。
また、剥がれかけた皮を無理にむくと、出血や炎症の原因になることも。乾燥が気になるときは、リップクリームでしっかりケアしましょう。
3. 熱いお湯で唇をすすぐ
寒い季節には熱いお湯を使いたくなりますが、唇への直接的な使用は避けましょう。熱湯は皮膚の水分を急速に奪い、バリア機能を低下させてしまいます。その結果、乾燥やひび割れが悪化し、治りにくくなります。
洗顔や入浴時も、できるだけぬるま湯を使い、入浴後はすぐに保湿することが大切です。
4. マットタイプの口紅を頻繁に使用する
マットタイプの口紅は、見た目が洗練されている上に持続力が高いため人気ですが、一般的に保湿成分が少なく、唇が乾燥しやすい傾向があります。特に、油分が揮発しやすい成分が含まれているため、時間が経つと唇がカサカサになりがちです。
もしマットリップを使う場合は、事前に保湿効果のあるリップクリームを塗り、しっかりケアしてから使用するのがベストです。また、保湿力のある色付きリップを代用するのも良いでしょう。
5. メンソールやアルコールが含まれるリップを使う
メントールやカンフル、ミントオイルなどは清涼感があり、リップクリームに配合されていることが多いですが、実はこれらの成分は唇を乾燥させる原因になることがあります。特に敏感な肌の方は、炎症やかぶれを引き起こすことも。
香料やアルコールなどの刺激成分が含まれていない、低刺激のリップクリームを選ぶようにしましょう。
6. 唇に日焼け止めを塗らない
顔や体の日焼け対策はしても、唇の紫外線対策を忘れていませんか? 実は、唇はメラニンが少なく、紫外線の影響を受けやすい部分です。日焼けによる乾燥や炎症だけでなく、長期間の紫外線ダメージは、シミや皮膚がんのリスクを高めることもあります。
唇も肌と同じように、UVカット機能のあるリップクリーム(SPF30以上)を塗ることが大切です。こまめに塗り直し、しっかりと保護しましょう。
唇の日焼け対策に関するよくある質問
通常の日焼け止めを唇に使用しても安全ですか?
はい、一般的な日焼け止めを唇に使用することは可能です。唇用、顔用、体用のすべての日焼け止め製品(SPF配合)は、紫外線(UV)から肌を守るために同じフィルターを使用しています。ただし、通常のクリームタイプの日焼け止めは、唇用に特化したSPF配合のリップバームに比べて、質感が「違和感がある」と感じることがあり、持続時間も短くなる可能性があります。また、味が気になることもあるかもしれません。さらに、一般的な日焼け止めは、リップバームほど唇を保湿したり刺激を抑えたりする効果が低い可能性があります。
SPF配合のリップケア製品はどのくらいの頻度で塗り直せばよいですか?
通常、日焼け止めは2時間ごとに塗り直すことが推奨されていますが、唇用のSPF配合リップバームの場合、特に食事をした後や飲み物を飲んだ後、水泳をした後などは、より頻繁に塗り直すことが大切です。適切な保護を維持するためには、こまめに再塗布することが推奨されます。
7. 使用期限が切れたリップケア製品を使い続ける
リップクリームや口紅にも使用期限があります。古くなった製品は成分が劣化し、保湿効果が失われるだけでなく、雑菌が繁殖する可能性も。特に唇が荒れているときに使用すると、炎症や感染を引き起こすこともあるため注意が必要です。
一般的に、リップ製品の使用期限は開封後6か月~24か月程度。変色や異臭がする場合は、すぐに新しいものに交換しましょう。
Sources
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BENCHIKHI H. & al. Les chéilites allergiques : étude de 17 cas. Revue Française d'Allergologie (2009).
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ELHAOURI M. & al. Chéilite exfoliative factice. Médecine thérapeutique (2018).
ZITO P. M. & al. Anatomy, head and neck, lips. StatPearls (2023).
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