Causes lèvres gercées

ひび割れた唇の原因とは?

唇は体の中でも特にデリケートな部位の一つです。他の皮膚に比べて薄く、皮脂を分泌する皮脂腺がほとんどないため、乾燥しやすく、ひび割れ(口唇炎)を起こしやすいのです。本記事では、唇がひび割れる主な原因を詳しく解説します。

原因①:冬の寒さと風

唇のひび割れは特に冬に多く見られます。寒さによって唇の血流が低下し、必要な栄養素や酸素が届きにくくなるため、皮膚の再生が遅れ、唇が乾燥しやすくなります。さらに、冬の強い風によって唇の保護膜(皮脂膜)がさらに弱まり、外部の刺激を受けやすくなります。その結果、ひび割れや炎症が起こり、痛みや不快感を伴うこともあります。

原因②:空気の乾燥

乾燥した空気は、寒冷地だけでなく暖房の効いた室内でも発生し、唇の水分を奪います。唇には皮脂膜がほぼ存在しないため、水分が蒸発しやすく、「経表皮水分蒸散(TEWL)」という現象によって急速に乾燥します。特に、冬の暖房や夏のエアコンが原因で、唇の水分が奪われ、ひび割れが悪化することがあります。

原因③:唇を舐める癖

乾燥した唇を舐めると、一時的に潤ったように感じますが、唾液が蒸発するとさらに乾燥が進みます。また、唾液に含まれる消化酵素(アミラーゼなど)が唇の皮膚を分解し、バリア機能を低下させるため、結果的に唇の乾燥や炎症を悪化させる原因になります。

原因④:栄養不足

唇の健康には、特定の栄養素が重要です。ビタミンA、B2、B6、C、E、そして亜鉛の不足は、皮膚の再生や水分保持機能を低下させ、唇のひび割れを引き起こします。例えば、ビタミンAは細胞の再生を促し、ビタミンCはコラーゲンの生成を助けます。バランスの取れた食事を心がけることが、唇の健康維持にもつながります。

原因⑤:ストレス

ストレスは皮膚のバリア機能を低下させ、乾燥を助長する要因となります。ストレスによって分泌されるコルチゾールというホルモンは、皮膚の水分保持能力を低下させ、唇のひび割れを悪化させる可能性があります。また、ストレスが強いと、無意識に唇を舐める、噛むなどの癖が出やすくなり、さらに乾燥や炎症を引き起こすこともあります。

原因⑥:アレルギーや刺激物への反応

一部の化粧品や歯磨き粉に含まれる香料、防腐剤、エッセンシャルオイルなどが、唇の炎症を引き起こすことがあります。特に、アレルギー体質の人は、「接触性皮膚炎」を起こしやすく、唇のかゆみや腫れ、ひび割れを経験することがあります。また、柑橘類などの酸性の食品も、唇のバリア機能を損ない、刺激を与えることがあります。

原因⑦:感染症

唇のひび割れの背後に、ウイルスや細菌、真菌(カビ)の感染が関与していることもあります。

  • 単純ヘルペスウイルスによる「口唇ヘルペス」は、水疱や痛みを伴うひび割れを引き起こします。

  • カンジダ菌による「口角炎(perlèche)」は、特に口の両端にひび割れを発生させ、赤みや痛みを伴います。

感染症が疑われる場合は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

原因⑧:薬の副作用

特定の薬剤は、唇の乾燥を引き起こす副作用を持っています。特に、**イソトレチノイン(ニキビ治療薬)**は皮脂の分泌を大幅に抑制し、強い乾燥をもたらします。また、一部の抗うつ薬、抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)、利尿剤、抗生物質も、体内の水分バランスに影響を与え、唇の乾燥やひび割れを引き起こすことがあります。

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